ランニングシューズブランド『ALTRA』のローンピーク5を買ったので早速使ってみました。ALTRAのローンピークといえば、100マイルレースなどでもよく見かける代表的なトレイルランニングシューズです。2020年末に1度発売された後、2月中旬まで発売が見合わされていました。一体何が起こったのでしょうか・・・
ALTRAのLONE PEAKってどんなシューズ?
ALTRA(アルトラ)というブランド
これまでのブログにもALTRAというブランドは出てきましたね。ブランド創立約10年にして全米でもトップ10に毎年名を連ねるランニングシューズです。大資本から作ったブランドではなく、実家がランニングショップだったゴールデン(元アメリカ代表)と幼馴染のブライアンの2名が創業しました。ケガをしにくいランニングシューズの研究を続け、『かかととつま先がフラット』『足指の動きを妨げないフットシェイプと呼ばれる足型』にこだわり、日本のトレイルランニングシューズの中でも非常によく見かけるようになりました。
LONE PEAK(ローンピーク)
ご存知の方もいるかもしれませんが、ALTRAのトレイルシューズの名前の由来は、創業したユタ州の街から見える山の名前がつけられています。ローンピークもまさにユタ州にある山の名前です。
ALTRAというブランドの名前を知らなくても『ローンピーク』は聞いたことがあるという人がいると言われるくらい、日本国内でもトレイルシューズの知名度としては高いシューズです。
その特徴は、靴を履いている感覚がなくなるほどフィット感の高い履き心地にあると言えます。足とシューズがほとんど一緒にピッタリとくっついてきます。そして日本のトレイルシーンで多いアスファルトとトレイルのミックスされたコース、トレイルに入るまで長いロード区間があったりと、トレイルシューズに求められるアスファルトとトレイルのバランス感覚も非常に優れています。そのため、日本で1番大きなトレイルレースUTMF(ウルトラトレイルマウントフジ)という大会においても、ロードセクションの長さから、ローンピークを選ぶという方が多くいらっしゃいます。
こういう書き方をするとベテラン用のシューズかと思われてしまうかもしてませんが、初心者でも、ハイカーさんでも、100km以上の長距離ランナーからも平等に高い評価を得ているのが特徴的です。
ローンピーク5のリコールについて
今回ローンピーク5が発売されたはずなのに・・SNSでちょっと見たと思ったらすぐに発売停止・・メーカーからも特別HP上では発表されていませんでした。
私がメーカーの方から聞いた話では、つま先に今回入っている縫い目の部分がどうやら外から簡単に抜けてしまう仕様になってしまっていたようです。国内の工場で修理がされて、改めて入荷となったそうです。
1つの波を乗り越えたローンピーク5、早速レビューを書きたいと思います。
2022/10/14(ローンピーク6のリンクに変更しました)
ローンピーク5の変更点
ローンピーク5を早速履いて走ってきました。レビューに行く前に、まずはローンピーク5の仕様についてお伝えしていこうと思います。

ローンピーク5は冒頭で記載したように初心者からベテランまで等しく使いやすいトレイルシューズであり、約10年間アップデートを重ねてきましたが、その履き心地とクッション性のバランスの良さは変わらず続いています。
ローンピークだけでなくALTRAのシューズ全般に言えることとしては、モデル名の後に数字がついている商品は、バージョンを表しており、〇.5はマイナーチェンジを表します。数字が入っていないモデルは基本的にバージョンアップがされていないモデルまたは出たばかりの最新モデルという認識で問題ないでしょう。
LONE PEAK4.5 → LONE PEAK5はマイナーチェンジではなく、しっかりとしたアップデートがあったことを意味します。ここではどこがアップデートされているかを見ていきましょう。
アップデートのポイント1:ミッドソール
マイナーチェンジではなくフルモデルチェンジということで、今回1番の変更は『ミッドソール』にあると言えます。ミッドソールとはシューズのクッションの部分のことで、LONE PEAK4.5で使用していたEVAと呼ばれる一般的なクッション素材から、ALTRA EGOと呼ばれるウレタンの素材に変更になりました。
EVAは多くのランニングシューズのクッション財として採用されており、その特徴は軽さとクッショニング、デメリットとしては反発力が高くないことと、長距離長時間の使用によるクッション性の低下があります。一方、ALTRA EGOミッドソールは、adidasが2013年に発売を開始したBOOSTシリーズで初めてリリースされたブーストフォームと同じようなウレタン素材で、こちらはEVAの弱点を克服したミッドソール素材として、クッション性・反発性・耐久性の全てを兼ね備えています。弱点としてはEVAより少し重さがあることです。
アップデートのポイント2:つま先の補強
ミッドソールの次の大きな変更点は、つま先の補強が挙げられると思います。こちらは冒頭でも記載した通り、リコールになってしまった内容です。そもそもつま先の補強はなぜ必要だったのでしょうか。
ローンピークシリーズは、ALTRAのトレイルシューズの中でも圧倒的な支持を集め、信者も多い(私もその1人です)と言われていますが、唯一と言ってもいい弱点が「つま先」が剥がれやすいということでした。使用できなくはないですが、気持ち的に劣化を感じることがありました。またロングレースなどの前につま先が剥がれてしまっていると気分的に不安にもなる、そんな声が挙げられていました。
そこでALTRAがつま先のラバーとアッパーを直接縫い合わせるというアップデートを施しました。しかしこの糸が簡単に抜けてしまうということで、商品を一旦回収し国内工場で修理(縫い合わせたのでしょうか)を行ったという状況です。私も修理後の商品を購入いたしましたが、糸が抜けるという雰囲気は全くありませんでした。(例え抜けたとしても使うでしょうね笑)
アップデートのポイント3:ラグが浅くなりました
アウトソール(地面に当たる靴底の部分)にある凹凸部分のことをラグと呼ぶのですが、このラグがローンピーク4.5より浅くなっています。走ってみた感じはラグの浅さはわかりませんでした、レビュアーとして感覚が繊細でなくてごめんなさい。画像のみ添付しておきます。
スペック:
インソール:5 mmコンターフットベッド
ミッドソール:ALTRA EGO / ストーンガード
アウトソール:トレイルクロー / マックストラックラバー
スタックハイト :25 mm
アッパー:速乾性エアメッシュ
重さ:男性約300g / 女性約240g(サイズにより異なる)
ローンピーク5を履いて走ってみました

今回ローンピーク5を履いて実際にトレイルを20kmほど走ってきました。
足の回転がものすごくよくなったと感じました。おそらくミッドソールの素材がEVAからALTRA EGOに変更になったことにより、反発の力が強くなったのでしょう。靴に足を通した感じだと柔らかくなったなと思っていましたが、実際に履いて走ってみると登りのピッチの維持が今までよりも格段によくなったように思います。ミッドソールの変化の違いをとても感じました。
また足に吸い付くような感覚、登りの安定感にも繋がりますが、下りでの足捌きの軽快さがとても心地よかったです。スペックには300g前後と記載されていますが、もっと軽く感じます。グリップについても全く問題なく安心感がありました。
この日とは別でロードも走ってみました。
感覚的な部分なので体調にも寄るかもしれませんが、ロードを走った感覚はLONE PEAK4.5の方が軽快に走れたような気がします。LONE PEAKシリーズの最大の特徴とも言うべきロードとトレイルのバランスの良さですが、トレイルはローンピーク5、ロードはローンピーク4.5の方がどちらかというと感覚が良かったと感じました。
しかしながらそれを差し置いても、新しくなったローンピーク5についてはつま先の補強もされて期待値が非常に高く、2021年さらに注目の商品となったと思います。
ローンピーク5のサイズ感について
ローンピークのみならずALTRAのシューズはサイズ感が難しいと言う声をよく聞くことがあります。ローンピークシリーズは概ね私も履いていますので、お手持ちにありそうな歴代のローンピークと、他のメーカーのサイズとの違いについて書いてみようと思います。
特にサイズのブレが少ないアシックスを基準にサイズ感を書きたいと思います。
ローンピーク2.5(アシックスよりちょっと大きめ)
ローンピーク3(アシックスと同じくらいか微妙に大きめ)
ローンピーク3.5(アシックスより0.5cmくらい小さめ)
ローンピーク4(アシックスと同じくらい)
ローンピーク4.5(アシックスより0.5cmくらい大きめ)
ローンピーク5(アシックスより0.5cmくらい大きめ)
おわりに
私が大好きなローンピーク5についてご紹介させていただきました。サイズ感がやや大きめではありますが、とっても気持ちよく走ることができると思います。
色々あったローンピーク5ですが、無事にリリースされてよかったですね。在庫も欠品が多いようなので、在庫があるうちにチェックしてみて下さい。
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