トレイルランニングの始め方〜最低限知っておきたい知識とマナー〜というブログを先日書きました。最終的に「トレイルランニングイベント・大会」に出てみましょう、イベントやレースに出ることによって新しい世界が広がりますと書きました。
いきなりイベントや大会と言われてもよくわからないし、何を基準に選んだらいいのかわからない。そんな初心者の方にオススメのトレイルランニングレース・イベントを紹介していこうと思います。東京在住なので関東のイベントが多くなってしまうかと思いますがご了承ください。
トレイルランニング大会の選び方
さぁ早速エントリーしてみよう!と、その前に、まずは選び方の基準について触れていきましょう。選び方や選ぶポイントはけっこう重要です。早速見ていきましょう。
1:スケジュールと開催地を把握する
まず選び方で重要なのはスケジュールと開催地。通常のロードレースと違い、トレイルランニングの大会は地方や都心から離れたところでやることが多いので、往復の交通にかかる時間は思ったよりもかかります。気軽にエントリーした後に帰りの電車や飛行機に間に合わない・・ということがないように、まずは自分が持ちうる時間と開催地のバランスを考えておきましょう。
2:距離と累積標高を確認する
初めて大会に出られる方は、ハードルが低いものから選びましょう。トレイルランニングの大会は、基本的に少し距離が長めです。ロードレースであれば5kmや10kmというのは多いですが、トレイルランニングで5km未満のレースはかなり少ないです。
最初は20km以下くらいのものから選ぶといいと思います。ハーフマラソンを走ったことがある方であれば20kmは抵抗ない距離だと思います。
『累積標高』初めて出てきた言葉ですね。平たく言うと累積標高とは『登った高さの合計』とでも覚えておいてください。山では登り続けるだけでなく、登ったり下ったりするので登りの合計というのを1つの目安にします。例えば、海抜0mから標高500mの山に登るまでの間に100m下ったとします。その場合、累積標高は600mと言うことになります。
累積標高は20kmの大会であれば1500m以下のものを選ぶといいでしょう。
3:主催者から選ぶ
関東エリアしか細かい情報がわかりませんが、トレイルランニングの大会は、自治体だけでなくNPOや実行委員会など任意団体で取り仕切られることも多くあります。運営側もそれなりに参加者から評価され、そのクチコミや満足度は集客に直結するので、運営側にとっても真剣勝負なのです。
中には自治体から許可を得ずに開催している大会もあるのでお気をつけください。
評価の対象は、大会が近づいた時に届く案内から始まり、アクセスの良さ、受付や会場の導線、トイレの数や場所、今で言えば感染対策、コースロストなどしないようにするためのマーキング、スタッフのウェルカム感、入賞した場合の景品の充実度、会場の近くにコンビニなどがあるかどうか、ロケーションや景色など多岐に渡ります。
後半にオススメの主催団体を掲載しようと思います。
トレイルランニング大会のエントリーサイト
距離や累積標高を参考に、自分のスケジュールの中で行けそうな場所の中からトレイルランニング大会を選べばいいということがわかりました。次に申し込み方法等について書いていこうと思います。
ランネット(runnet)

『月間ランナーズ』を発行する株式会社アールビーズが運営するランナーのポータルサイトです。最も集客力があるので、ほぼほぼ一択に近いエントリーシステムです。主催者側に集客力があるものは別のシステムを使うこともありますが、それだけ人気だとサーバーの関係からもこちらを選ぶことが多いです。まずはこのランネットから大会を検索しましょう。
スポーツエントリー

マラソン大会のサイトの中では2番目に主催者側から選ばれているシステムです。ランネットで見つからない場合などはこちらも検索してみるといいでしょう。ランニング以外のスポーツでも使われているのが特徴的です。集客力がある主催者さんに選ばれているイメージです。
他にも大会エントリーシステムはありますが、ほぼこの2つで網羅できると思います。とりあえず開催月と開催地から検索をしてみてください。ご自宅からそう遠くない時期にも大会が見つかると思います。
オススメの大会一覧
エントリー方法や検索方法もわかったということで、トレイルランニング初心者でも参加しやすいオススメの大会を書いていきたいと思います。トレイルランニングは年中どこかしらで大会が行われていますが、基本的にシーズンは4月から始まり11月まで。7〜8月は熱中症等の心配が多くなるため、少しイベントは少なくなります。では早速見ていきましょう。
THE FIRST TRAIL(東京:4月上旬)

THE FIRST TRAILは「1番やさしいトレイルランニング大会」を目指し、東京・青梅市にて(青梅高水国際トレイルランの前日・同会場)2023年4月に初開催となりました。
この大会には世界チャンピオンの上田瑠偉選手をはじめ多くのゲストランナーを招待し、初心者も上級者も同じ空間で楽しめるトレイルランニング大会です。
その特徴はひよこの部(42.195mの徒競走)や親子リレーなどご家族で参加できる大会となっています。また、初心者でも安心の青梅丘陵の公園内をリレーする形式で、ソロの部から6人チームまでの募集となっています。同会場ではTRAIL OPEN AIR DEMOも同時開催され、まさにお祭りのようなトレイルランニングレースとなっています。
青梅高水国際トレイルラン(東京:4月初旬)
青梅高水国際トレイルランは、今年でなんと23回目。トレイルランニングという種目自体が全然名前も知られていない頃から始まっている歴史ある大会です。運営する青梅市トライアスロン協会は、年間約20レースを運営し、感染対策なども徹底している安心の団体です。東京都心から電車で約1時間、駅から徒歩で10分以内の会場、スタート時間も10時とゆっくりめなので、東京都民は普通に起きてから家を出ても会場に電車で行けるので、大変人気です。

スタート前に行われる準備運動のエアロビクスが長時間なので、出走する前に疲れないように注意が必要です。また、前日から同会場で行われるTRAIL OPEN AIR DEMOはトレイルランニングに関係する事業者がたくさん集まり一般のユーザーさん向けに行う展示会です。
イベントの前後に会場で楽しみがあるのも嬉しいですよね。
距離:15km / 30km
累積標高:約700m / 約1600m
北九州・平尾台トレイルランニングレース(福岡:4月中旬)
平尾台トレイルランニングレースは、日本三大カルストと呼ばれる3億年前の珊瑚礁が姿を変えた地形で、緑の中に羊が群れを成しているような抜群のロケーションの中を走ることができ、地元ではかなり人気の大会です。プロデューサーが石川弘樹氏(トレイルランナーの中でもトップクラスの有名人)ということも大会の人気を支えます。石川氏がプロデュースするレースの特徴としては、日本のトレイルランニングレースでは少ない「ずっと走り続けられる」ようなエリアを選ぶことです。

初めてのトレイルランニングの大会としては、とっても走りやすく、北九州の中心街から車で40分前後とアクセスも良好です。また、洞窟や鍾乳洞などレースの前後に観光気分でハイキングなども楽しめます。とってもオススメですよ。
距離:17km / 40km
累積標高:約900m / 約2572m

善光寺ラウンドトレイル(長野:4月上旬)
トレイルランニングレースの大会数が非常に多い長野県で開催される「善光寺ラウンドトレイル」を運営するKTF(NPO法人 北信濃トレイルフリークス)は、年間でも多くのレース運営をしており、レース運営においても開催場所のセレクトにおいても非常に評価が高いです。

長野駅から車で15分というアクセスの良さや、前後の観光地としても優れています。スタート時間が11時というのは、時間がないお父さんにとって東京からでも日帰りできちゃうという魅力があります。できればゆっくり旅行しながら行きたいものではありますが、参加者への配慮をとても感じます。
距離:8km / 20km
累積標高:800m / 1300m
ダモンデトレイル(愛知:5月中旬)
愛知県は新城市で開催されるダモンデトレイルです。「だもんで」は静岡・愛知地方の方言で(それで・したがって という意味だそうです)こちらはまるでフェスのようなトレイルレースというキャッチコピーの通り、会場は適度に密集したエリアでDJがいい感じの音楽を流してくれ、またMCが大会を盛り上げてくれます。途中で繰り出す「懐メロ」タイムは、比較的幅広い年代が参加する全世代(特に30〜50代)が盛り上がる時間です。

3時間耐久のリレー、登りがキツすぎない、走りやすいコース、チーム参加ができる(ソロでの参加も可)、出展者も多く楽しい雰囲気、など初めてのトレイルランニングの大会には持ってこいの雰囲気です。実際にトレイルランニングの中級の方がよく参加するレースでは見ないような、ロードレースとほぼ同じ格好で来場されるので、敷居がとても低くいのも嬉しいですね。
スリーピークス八ヶ岳トレイル(山梨:6月上旬)
スリーピークス八ヶ岳トレイルは、八ヶ岳の麓である小淵沢エリアから日本百名山である赤岳に向かうルート(三ツ頭まで)を登る八ヶ岳の魅力を存分に味わえるレースです。三ツ頭に向かう41kmコースは累積標高3000mときつい登りが待っていますが(参加条件も厳しい)、23kmコースはきつい部分をカットした美味しいところだけ走ることができます。獲得標高も1000mとやさしめです。
2022年大会は10月、23年は開催せずに24年6月に開催予定

また出展者も多く、有名店「ROCK」のカレーは必食です。前日からマルシェが開催されたりと雰囲気もまさにお祭りです。エントリーがすぐに埋まってしまうので、必ずエントリースタート時にはスマホを片手に待機しましょう。
距離:4km / 23km / 41km
累積標高:850m / 1000m / 3000m
富士山原子林トレイルラン(山梨:10月中旬)
こちらは私は行ったことがないのですが、高低差が少ないのでトレイルランニングの初心者でも安心。友人の話だと中級者が初心者を誘って参加されることが多く、前日受付必須の大会が多い中、当日受付もあるので東京から日帰りできるアクセスの良さも嬉しいですね。
距離:約16.5km / 約25km
累積標高:約500m / 約1250m
トレニックワールド in おごせ・ときがわ(埼玉:11月上旬)

トレニックワールドという団体は「小江戸大江戸200km」や「彩の国100マイル」などどちらかというと上級者向けの大会を主催することが多いのが特徴です。基本的に東京から朝出てなんとか受付が間に合うくらいに時間が設定されているため、宿泊しなくてもいいという参加者目線の運営をしてくれています。
基本的には20km以下の大会をオススメしていましたが、こちらのおごせ・ときがわのレースは完走率を公表しいて、30kmの完走率が97.3%と高い水準になっているため掲載しました。コロナの影響で今年はわかりませんが、基本的にエイドが非常に充実しています。また、他の大会と比べて距離に対しての参加費が安いのも人気を支えており魅力的です。
一昨年は台風19号の影響でコースを直前に変更したりと、通常であれば中止の判断をせざるを得ないところを、直前まで調整して開催していました。スタッフの多くがウルトラマラソン等も完走するチームであるため、行き届いた配慮とランナー目線に立ってサポートしてくれるスタッフの評価が非常に高いです。ちょっとハードルが高く感じられますが、そういった部分も含めてお勧めさせていただきます。
距離:30km / 50km
累積標高:約1500m / 約2800m
オススメの主催者
距離・累積標高・アクセスの良さはもちろん大事な要素なのですが、主催者で選ぶという選択肢があってもいいのかなと思います。
上記した大会は、基本的に参加者目線で運営が優しい(時には厳しい場合もありますが笑)ので、運営している主催者で選ぶという人も出てきます。私も通っている大会では、主催者さんたちがストイックにランナーのことを考え、大会を改善し続けているのがわかりますので、大会のコースやロケーションもですがスタッフさんたちの雰囲気で好きになることの方が多いと思います。
なので、気に入った大会に出会えたら、同じ主催者が運営している別の大会に出てみるというのはトレイルランニングの大会の選び方として概ね当たりを引くことが多いです。ただし同じ主催者でも日本各地飛び回るようなレース運営の団体の場合は、地域差が出やすいので概ね関東、概ね近畿などエリアが絞られている主催者さんの方がオススメです。
初心者にオススメの主催者(大会ごとの距離等は各自判断ください)
1、KFC(青梅市トライアスロン協会)
青梅高水国際トレイルラン
TOKYO成木の森トレイルラン
赤城の森トレイルラン(群馬)
多摩川源流トレイルラン
ALTRA信州聖山トレイルラン
みたけ登山競走
TOKYO八峰マウンテントレイル
※HPが全て1つのページなので見にくいですが大会は参加しやすいです
KFCのHPはこちら
2、KTF(北信濃トレイルフリークス)
モントレイル戸隠マウンテントレイル
志賀高原マウンテントレイル
ROCKIN’ BEAR 黒姫トレイルランニングレース
NOZAWA TRAIL FES
善光寺ラウンドトレイル
経ヶ岳バーティカルリミット
科野の国ラウンドトレイル
須坂米子大瀑布スカイレース
養老山脈トレイルランニングレース
大紀町シーサイドトレイル
犬山八曽トレイルランニングレース
平尾富士トレイルランニングレース
3、新城スポーツツーリズム推進実行委員会
ダモンデトレイル(5月、10月)
こちらは主催以外にイベントの誘致も多く行っています
・奥三河パワートレイル
・OSJ新城
・新城ラリー(車のイベントです)
・IRC CUP(シクロクロスのイベントです)
4、NPO法人トレニックワールド(基本上級者向きですが)
彩の国100mile&100km
外秩父50km&45km
おごせ・ときがわ50km&30km
小江戸大江戸200km
まとめ
今回は初心者にオススメのトレイルランニング大会の選び方と、オススメの大会をいくつかご紹介させていただきました。
距離・累積標高・アクセスの3つが重要な要素です。良かった大会は毎年参加したりすると昨年の自分と比べられたり(天候でも大きく左右されますがそれも面白い)別の楽しみ方ができます。
ちょっと情報が関東に偏ってしまったのは反省点ですが、関西エリアなどもう少し行く回数を増やして追記していきたいと思います。また、2020年はコロナで多くの主催者さんが厳しい1年となりました。2021年の大会については、なかなか決定できていない大会が多いと思いますが、本ブログが目標の大会などを見つけそれに向かって頑張るきっかけになれば幸甚です。