トレランシューズの選び方 防水?非防水?ロードと兼用できる?細かく解説します

トレランシューズを初めて買う方の中には、ロード(アスファルト)も走れるモデルを探している方が多いと思います。もちろんどちらでも気持ちよく走れるモデルはあります。しかしながらマラソンランナーがトレランシューズを履かないのはロードシューズはロードシューズの、トレランシューズはトレランシューズの良さというのがはっきり別れるからです。

結論から言えば、トレイルではトレランシューズを、ロードではロードシューズを履くのがオススメです。ここからはなぜそういう結論になるのかを解説していこうと思います。

まずはトレランシューズとは何か、ロードシューズとは何か、違いはなんなのかをお伝えしていきます。

目次

トレランシューズとロードシューズの違い(考え方)

 まずは違いを知りましょう。トレランシューズはトレイルを快適に走るために作られ、ロードシューズはロードを快適に走るために作られています。当たり前だよと思われるかもしれませんが、兼用モデルを探される方の中には正確に理解できていない方が多いので、次の文章を読みましょう。

 トレランシューズ=スタッドレスタイヤ

 ロードシューズ=ノーマルタイヤ

 トレランシューズとロードシューズは車のタイヤに例えられることが多いです。ノーマルタイヤで雪道を走れば滑りやすいですし、靴の中で足が左右にぶれやすいので快適とは言えません。一方スタッドレスタイヤで1年中アスファルトを走り続けると、摩耗が激しいです。トレランシューズで考えるとせっかくの『グリップ』が削られてしまいますし、同等のロードシューズより重たくなってしまいますので、快適とは言い切れません。

 この違いを理解できるとトレイルではトレランシューズを、ロードではロードシューズを履くのがオススメというのが伝わると思います。

 文章で説明してご納得していただける方もいれば、トレイルに行く頻度が月に1回程度なので、それでも兼用モデルが欲しいという方も多いと思います。そんな方のために次の章では、主観的に兼用がオススメできそうなモデルをご紹介いたします。

こんな路面では硬めのソールのトレランシューズがオススメ(PhotoACより)

トレランシューズに求められる機能

まずは兼用する上で、トレランシューズに求められる機能を解説します。

トレランシューズに求められる機能1:アウトソール

トレランシューズに必要な要素は、さまざまな路面に対応できるようにするため、アウトソール(地面に接する部分)が滑りにくいよう凹凸があります。『ラグ』と呼ぶことがあり、この形状やアウトソールのゴムのコンパウンド等によって滑りにくさや耐久性が決まります。

このアウトソールが硬いシューズの方が、凸凹の路面で安定感があります。反面、アスファルトの道では硬い路面に硬いソールなので足への負担はやや大きくなります。アウトソールが比較的柔らかいソールの方が履き心地がよく感じられることが多いです。トレイルではしなやかに路面に対応できる反面、尖った石や木の根を踏んだ際にはやや安定性に欠ける時があります。硬いアウトソールのシューズよりもアスファルトを走った時の感覚が良いため、一般的に兼用モデルをお探しの方にはアウトソールが多少柔らかいモデルをオススメいたします。

トレランシューズに求められる機能2:アッパーの強度

トレランシューズに求められる次の要素は『アッパー』の強度です。ここでいうアッパーというのは足を覆う靴の表面の生地のことを言います。アスファルトを主にまっすぐ走るロードシューズとは違い、トレランシューズは時に左右に、時に高い段差を上がったり降りたり、急な方向変換、スピードのコントロールで体重を左右に逃したりと、アッパーはそれなりの強度でないと破れてしまうことがあります。

ロードシューズと比べると頑丈に作られているのが特徴です。トレランシューズとロードシューズを兼用するポイントとはアッパーもある程度頑丈であることが求められます。

ロードシューズに求められる機能

トレランシューズと比べると、ロードシューズに求められる要素はそう多くはありません。トップスピードで走りたいわけ(陸上選手)でない限り、トレランシューズをロードシューズとして兼用したい方の場合は、トレランシューズで走れないことはありません。

スタッドレスタイヤ(冬用)で夏走るようなものなので、走れないことはありません。トレランシューズでロードを走る場合は、比較的軽いものの方が快適です。

トレランシューズの中からロード兼用モデルを選ぶ

早い話、どちらかというとロードシューズの方がこだわりは少なくなるわけです。なので、トレランシューズから選んだ方が困ることは少ないです。ここからはトレランシューズの中からロードでも気持ちよく走れるモデルをチョイスしていこうと思います。
目安としてはメンズのモデルで300g以下で『ラグ』(凹凸)が浅いものを選ぶといいでしょう。ただしレーシングモデルで軽量かつグリップが効くと言っているブランドは、浅いラグで強いグリップのモデルはより地面に噛むようになっているため、削れるのも早いので耐久性は多少悪いことも覚えておきましょう。

1、ALTRA SUPERIOR4.5


2、ホカオネオネ チャレンジャーATR6


3、サロモン センスライド4


いずれも履きやすくオススメです。しかしながらやはり個人的なナンバー1はALTRAのLONE PEAK5ですね。ロードとトレイルのバランスが最高です。日本のトレイルランニングレースの中で、特に長距離(もちろん短い距離でも全然快適に走れます)で履いている人をよく見かけるのがアルトラのローンピークシリーズです。

こちらは、ミッドソールと呼ばれるクッション部分の柔らかさとアウトソールの硬さ(硬すぎない)が絶妙に組み合わされているので、アスファルトを走った時もトレイルを走った時も本当に気持ちよく走ることができます。

なぜ、長い距離を走る方に選ばれているかというと、日本のトレイルランニングのレースは、必ずと言っていいほどアスファルトの部分も走ることになります。アウトソールが硬いシューズだと長距離を走って疲労困憊の足で硬い路面を歩くことになるので、鍛え抜かれた足の人を除いてはハードに感じられます。

また、日本で山に行く場合には、車で登山道の入り口に行かない限り、舗装されたアスファルトをそれなりに歩いて移動することになります。そういった観点からもこのローンピークというシューズのバランス感覚は非常に優れています。今シーズンの在庫は早くも欠け初めているみたいなので、早めにチェックしていただくことをオススメいたします。


ALTRAのLONE PEAK5については本当に素晴らしいシューズなので、別でブログも書きましたので、気になる方はこちらのブログも参考までにご覧ください。

ALTRA LONE PEAK5(アルトラ ローンピーク5)商品レビュー・サイズ感

ロードとトレランシューズの兼用問題については、基本的にトレランシューズの方から選ぶことをオススメいたしますので、良かったら上記のシューズを参考にしてください。

トレランシューズは防水と非防水、どっちがいいか

さて、トレランシューズの中には防水モデルと非防水モデル(以下、メッシュタイプ)があります。
どちらを選ぶ方がいいのか・・選び方の基準について次に書いていきたいと思います。

トレイルランニングをする方はメッシュタイプが絶対オススメ

理由から解説していこうと思います。
防水モデルは外からの水には強いですが、どうしても中で蒸れやすくなってしまいます。トレイルランニングはトレッキングと比べると運動量が多く、足の汗で蒸れてしまいます。靴の中が蒸れてしまうと、不快なだけでなく皮膚同士、皮膚とソックスの摩擦が強くなりマメができたり皮膚のトラブルが起きる可能性が高くなってしまいます。

トップ選手の足元やトレランシューズのラインナップを調べていただけるとわかることですが、防水のモデルを選んでいる方は誰もいませんし、ラインナップの多くのモデルはメッシュタイプになります。

ざっくり言うと、トレイルランナーは雨に濡れることは気にせず、雨が上がった後の乾きを重視される方が殆どです。防水タイプは絶対に濡れないわけではなく、シューズに接するソックスなどをつたって少しずつですが雨が靴の中に浸透します。1度防水シューズの中が濡れてしまうとメッシュタイプより乾きにくいので、シューズも重たくなりますし、走る方の場合は乾きを重視してメッシュタイプを選びましょう。

例外としてスノーランニングなどトレイルが雪である場合は防水タイプがオススメです。

防水タイプは歩く人にオススメ

防水タイプはトレッキングやハイキングなど、主に歩く方にオススメです。『山の天気は変わりやすい』ので、雨でも快適に歩けるように防水モデルが登場しています。ゴアテックスやeventと呼ばれるメンブレン(防水のフィルム)が足を包み、雨風から守ってくれます。

防水タイプは同時に防風タイプでもあるので、メッシュタイプに比べて暖かく感じます。歩かれる方だけでなく、普段履き、スノーシューに装着するシューズとしても活躍します。また、朝早くから活動されるイベント関係者や大会スタッフなど、朝露でシューズがびしょびしょになりかねない業者さんなどにも幅広くオススメです。

足幅がとても広い方、甲がとても高い方はメッシュタイプがオススメ

足幅が広い方、足の甲が高すぎる方は、防水シューズを履いた際に靴の中がパンパンになってしまう方がいます。足の甲がパンパンになってしまう方の場合、足が地面から離れる際に靴が拇指球を起点に曲がる際に過度な負担がフィルムにかかってしまい、フィルムが裂けてしまう可能があります。

なので、足が幅広甲高の方はネット通販で防水のトレランシューズを選ぶのはあまりオススメできません。可能な限り店舗で選べるといいですね。

まとめ

トレランシューズはスタッドレスタイヤ、ロードシューズはノーマルタイヤと考えると選ぶ参考になると思います。ロードシューズでトレイルランニングをするよりかは、トレイルシューズをロードで履いた方がどちらかと言うと快適です。

また、トレイルランニングをする場合は、防水タイプよりもメッシュタイプがオススメです。ロードとトレイル兼用モデルであれば候補に挙げたものの中から選ぶと概ね間違いないと思いますが、シューズを長持ちさせたいのであれば、用途別で購入されることをオススメいたします。

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