Naked T/r ネイキッドトレイルランニングシューズのスペックとレビュー サイズ感について

久しぶりのシューズについてブログを更新いたします。色々出てますが、靴ひもなしのトレランシューズって成り立つの?ホントに??だって中足部の締め付けがある程度しっかりしていないと、下りの際に足指が前にズレて当たってしまうし、また締め付けがキツすぎると足の血管とか圧迫しちゃうし、微調整できないですよね?

長年トレイルシューズをテイスティングしてきた身としては確認しないわけにいかないシューズです。しかもお値段44,000円(税込)ときたら、リリースするメーカーも並大抵の商品出せないわけですよ。そんな自信がひしひしと伝わってくるNaked T/rについて、ご紹介していきます。

Nakedってどこの国のブランド?

そもそもですが、Nakedというブランドを聞いたことがないという方にお伝えすると、Nakedはアメリカ北西部に位置するシアトル郊外に本拠地を構え、世界70カ国以上で愛用されています。トライアスリートで起業家の兄と、ウルトラトレイルランナーでデザイナーの弟がブランドを立ち上げます。

容量、柔軟性、快適性、パフォーマンスを満たす製品を探し出せず、自ら作り出すことに成功しました。

シューズには拠点の座標が記されている

NakedといえばNaked Running Band

この商品が出てくるまで、日本国内に置いてもウエストベルトで満足のいく商品に出会ったことが私もありません。揺れる、生地が暑くてオーバーヒートする、ベルトが硬いなど、当時はバイヤーとして買いたいと思える商品が1つもなく、ウエストベルトを仕入れたことはありませんでした。

見事に機会損失をして会社に迷惑をかけたかもしれませんが、気に入った商品でないと売れるわけがありません。そしてこのNaked Running Bandと出会って初めて仕入れを決定することになります。

前置きが長くなってしまいましたが、プロダクトとしての完成度をユーザー目線で考えた時に最も納得して仕入れができた商品が、Naked Running Bandです。

『シンプルさ』『機能性』をとことん追求しているため、無駄にカラーをたくさん出すこともありませんし、頻繁にモデルチェンジをすることもありません。それでも選ばれ続けているブランドであるということがお分かりいただければと思います。

Naked T/rのデザイナー Danny Dance氏

デザインはダニーダンス氏

もう鼻血が出そうなくらいかっこいいスニーカーをデザインし続ける巨匠
興味があれば1度HPをチェック(戻ってきてください)

Nakedのブランドイメージをそのままに、機能性と洗練されたデザインを追求した究極のシューズと言えるでしょう。Nakedはデザインのリニューアルが頻繁に起こらないですし、例え履き潰した後でも飾っておきたくなる、そんなトレイルシューズだと思います。

そして見た目はさることながら、靴ひもなしのトレイルシューズの発想。さすがです。

Naked T/r のスペックについて

① レースレステクノロジー(靴ひもなし)

足がどの方向に向かって着地したとしても高いサポート力を発揮できるように作られた独自のラスト(足型)と非常に軽量でミニマルに構成されたアッパーを組み合わせています。

靴ひもがないため、足入れをする際に少々シューズを引っ張って足を通す必要があります。しかしながら足を通した後は信じられないくらいに足に吸い付いてフィットする感覚があります。
私の足は比較的シャープなのでスッと履くことができますが、幅広甲高の方の場合はキツく感じる場合があります。

②カーボンファイバープレート

つま先側に搭載されたカーボンファイバープレートにより、上りでもフラットでも運動効率を上げ、エネルギー消費を抑え、疲れにくくよりスピーディなランニングを実現します。

③EVAミッドソール

昨今ではウレタン系フォーム等が拡大してきていますが、高反発のカーボンファイバープレートには、軽量でクッション性があるEVAミッドソールがやはり最適という結論だったようです。

④Vibram社メガグリップと特許取得のLITEBASEとトラクションラグシステム

このブログをここまで読み進めたトレイルランナーで『メガグリップ』を聞いたことがないという方はきっといないでしょうが、敢えて説明すると、他のアウトソール素材とは比較にならない程の滑りにくさと耐久性を兼ね備えているVibram社のアウトソール技術。LITEBASEは同素材の厚みと重量をスペックをそのままに削ぎ落としているテクノロジーです。

一説によると厚みを最大50%、重量を最大30%削ることができるそうで(サイズ等によっても違いますよね)トレイルランニングのように何万歩も着地することが想定される競技において、少しでも重量を削れるなら削りたいというモデルには搭載されていることがあります。

⑤ノンスリップインソール

他のシューズであまり聞きなれない『ノンスリップインソール』
これはシューレースがないが故に必要なテクノロジーということでしょうか。特別な素材で表面処理がされているそうで、とにかく滑らないそうです。早く実践で試してみたいですね。

⑥ニットカフ

小石や小枝を足首まわりから中に入れないカフシステムです。

⑦その他細かい数字(メーカーページから転載)

  • スタックハイト: 前足部 : 21mm / ヒール : 26mm
  • ドロップ差 : 5mm
  • 重量: 255g (USメンズサイズ9)
  • サイズ : ハーフサイズで6~11(ユニセックス)
  • インソール : LINERLOCアンチスリップ
  • アッパー: 1ピースTPUボンディングリップストップナイロン
  • ミッドソール: EVAフォーム
  • アウトソール: ビブラム®メガグリップラバー(ライトベースとトラクションラグテクノロジー)
  • ラグの深さ: 前足部: 4mm / アーチ: 2mm / ヒール: 5mm
  • 可変式ボンデッドニットカフ

この中でアウトソールのラグの深さが前足部と中足部、後足部に分けてグリッドしてある点は、他のブランドでもやっているかもしれませんが、明確な記述がされているものはあまり多くないかなと思います。また、ドロップ差が5mmというのはフルフラットの0mmだとスピードに物足りなさを感じるスピードランナーにとってはちょうどいいくらいのドロップかなと思います。

⑧シューズ購入時のイメージについて

サーフェス : ドライ・テクニカルな地形
パフォーマンス : スピード/レース
クッション : 中くらい
フットプロテクション : 高め
シューズのフィット感: 踵と中足部の形状にフィット
靴の幅 : スリムフィット
使用目的 : 高度なテクニカルトレイルでのレース

⑨購入前の方に一言

トレイルシューズをレース用と練習用を履き分けていない方って、実は多いのではないでしょうか?
足に馴染んでいる方がいいという方が多い反面、練習でボロボロのままのシューズでそのままレースも行って、履き潰してから次を購入という方もよく耳にします。

私はシューズ好きなただのおじさんという位置付けなのでどちらでもいいのですが、サッカーをやっていた時も、陸上をやっていた時も、練習用と試合用って使い分けてました。大人になって趣味の領域になってからでも「本番用」というシューズはしっかり分けて使っている方だと認識しています。もちろん練習中に全く履かないわけではなくて、事前に足ならしで履いたりしますが、このNaked T/rはまさに『本番用』のような印象です。

Naked T/rのサイズ感について

新しいブランドのシューズをネットで買うのは参考情報がなさすぎて躊躇するかと思いますので、イチ個人として無責任にもサイズ感をお伝えできればと思います。
また、Naked輸入元のRunfus&Co.代表の野口さんにもサイズ感を聞いてみました。

US(男性)77.588.599.51010.5
日本サイズ25cm25.5cm26cm26.5cm27cm27.5cm28cm28.5cm
US(女性)88.599.51010.51111.5
日本サイズ25cm25.5cm26cm26.5cm27cm27.5cm28cm28.5cm

私:私の足は比較的細長くシャープな方です。決して幅広でもなく、どちらかというと幅は普通で甲は低めだと認識しています。足のカカトからつま先までの長さ(足長)は27.1cmでトレイルシューズでジャストに感じるのは28.5cmのものが多いです。サイズ感のブレが少ないメーカーで言うと、HOKAやアシックス、ブルックス、onなどは28.5cmで概ね気持ちよく履けます。トレイルシューズで外せないブランドとしてALTRAもよく履いていますが、LONE PEAKは最近大きめで28.0cmを購入していました。

野:どちらかというとぶかぶかよりはタイトにフィットさせた時の方が、シューズ本来の性能を活かせると思うので、ジャストサイズ(つま先に余裕がないと言うわけではない)で履くことをお勧めします。ただ、やや作りがサイズ表記に対して大きめなので、私は普段履いているシューズよりも0.5cm小さめを履いています。

とのことでしたので、私も0.5cm下げて28.0cmをお願いすることにしました。
すると、シンデレラフィットです。
なので、足幅が普通くらいで甲も厚めじゃない人は、他メーカーのモデルと比べると0.5cm下げるくらいがちょうどいいのかもしれません。

Naked T/rを履いて走ってみました

あまり長時間走る時間が取れなかったため、自宅付近の里山レベルですが、履いた感想を描いてみたいと思います。

①足入れ/フィット感について

『靴ひもがない』まさにシューズのフィッティングを行う上で、私はめちゃくちゃ靴ひも信者です。クイックシューレースやキャタピランも試したりしましたが、やはり私にとってのベストは靴ひも。微調整ができることが何よりも嬉しい。

そんな靴ひも信者の私が、靴ひものない Naked T/r を履いてみました。
感想は、正直想像を絶するフィット感でした。
フィット感の説明の前に、靴べらを紹介します。

この靴べらは、シューズと一緒に箱に入っているNaked T/r 専用の靴べらになります。
一体なんで?な感じではありますが、靴ひもなしで高いフィット感を出すためには、それなりにタイトにシューズを作る必要があります。なので靴べらが付属されています。靴べらを使用して、下の画像の黄色いnakedと書かれているフックを持ち上げて足を通します。

足はずれないの?と思いますが、全くと言っていいほどずれません。正直、シューズの概念が変わるくらいの技術だと思います。靴ひもに関して言うと、最近ではBOAのダイヤルシステムなんかも少しずつトレイルシューズに普及してきた感があります。

しかし、やはりダイヤルを岩にぶつけてしまったり、靴ひもの場合は解けてしまったりと、いくらかの手間が発生する状況というのは起きる可能性がありますが、靴ひもなしで高いフィット感を再現できるNaked T/rは「調整する」という概念を覆してくれました。

強いていうのであれば、ロングレースで足が浮腫んだ時などはややタイトで調節ができないというのは、敬遠される可能性があります。どちらかというとロングよりもショートイメージを想像してしまいました。

②路面でのフィーリング

自宅の裏山なのですが、この路面めちゃくちゃ滑るんですよ。晴れててもかなり滑る。滑ると頭に刷り込まれていると、よほど意識して前傾を取らないと案の定滑ります。(写真で見るよりもけっこう斜度はあります)

Vibram社のメガグリップを使っているシューズはたくさんあれど、体重の乗せ方が悪いと滑る路面は存在します。メガグリップでも滑っていたこの路面、Naked T/rは滑らなかった。もちろん前傾の意識はしていたけれど、靴がどうこうとは考えていなかった。

ラグの深さがどう・・なんてうんちくを語るつもりはない。ただただ他のシューズで滑っていたいつもの路面で滑らなかったことがとても嬉しい。

③下りのフィーリングが極上

正直、私の体力はかなり衰えてきてしまって、登りを勢いよく登ることはできないため、選手が語るようなレビューは書けない。しかし、下りはある意味重力に任せておけばスピードを出せるため、そこのレビューを書きたいと思います。

下りは極上。
靴が足の中でぶれる感覚は全くないし、踏み込んだ時の安定感がすごい。カーボンプレートのおかげか無駄なエネルギー消費や厚すぎるクッショニングもないため、スピードを出したいランナーにはとてもとてもいい。

クッション性は普通くらいだろうか。過保護すぎるようなクッションはなく、地面からのレスポンスを重視したバランス。

④ロードもとても良い

私レベルがスピードのことを言える立場ではないが、ロードの感覚がとても良かった。きっとカーボンプレートのおかげだろう。そしてゼロドロップで普段生活をしている私だが、この5mmと言うドロップ差もロードでスピードを出すには気持ちがいい。

日本のトレイルレースにおけるロードを走る割合は比較的多めであることも、シューズを選ぶ上では考慮したい項目である。ロードもとてもいい。

⑤想像で書いてみる

正直、いろんな路面を試したわけではないのでここからは想像です。
例えばアルプス系の岩岩した山岳地帯で使用したと想定するならば、十分な安心感を得られると思います。

La Sportivaほどのアウトソールの硬さはないため、一点で支えるような足場は比較すると十分ではないと思うが、これもカーボンプレートである程度カバーできるだけの剛性がある。クッション重視のシューズだとアルプスは少々心許ない。

また、トラバースなどもタイトフィットであるため踏み込みも良いし十分に戦えるだけのスペックであると言えよう。マッディな路面でどのくらいの泥をシューズが防いでくれるかは想像できないが、泥が入らないようなニットカフ仕様になっている。とは言え泥が入ってしまった場合は、着脱にやや難点があるので(靴べらを持参して走れば問題なし)そこはその状況になってみないと書くことができない。しかし、滑るか滑らないかのような話であれば、泥んこの路面であったとしても問題はないスペックです。

⑥強いて書いてみる。ここがもっとこうだったら。

これは輸入元の野口さんもおっしゃっていたのですが、シューレースがないタイトフィットのシューズであることから、シュータンとカカトの両側を引っ張れるようにカカト側にもループがついているといいなぁというのはリアルな感想。

特にレース仕様のような位置付けのシューズでもあるため、流石に靴べらを持参して走るのはしんどい。靴べらを持参しなくても履きやすいように、カカト側にも引っ張れるループが取り付けられているとより製品としてストレスが少なくなるだろう。

ゆくゆくアップデートされる時によくなることを期待したいと思います。

⑦Naked T/rが向いている人、向いていない人

これは足の形に左右されることが大きいと思います。幅広甲高を自負している人や、お店で幅広ですね〜なんて言われたことがある人の場合は、ちょっとタイトすぎる可能性があります。そもそもシューズの利用者として現段階では想定されていない可能性があります。なので、足幅は比較的標準か狭めの人が想定されていると感じます。

また、長距離レースで使用する場合も、トレーニングで1度長時間履いてからの方がいいと思います。靴ひもとは違い微調整ができないため、足が浮腫む可能性があるほどの距離を走られる場合は同じくらいを走ってみてからトライしましょう。

すごく相性がいいと思う距離のレンジで言うと、スカイランニングのバーティカルやスカイレースくらい、トレイルランニングで言うならば50km未満くらいまでのスピードが出せるショートレースあたりは大きな武器になるかと思います。

販売店舗について

現時点で把握している限りの販売店さんは

さかいやスポーツシューズ館(東京神保町)

スーパースポーツゼビオお茶の水本店

です。どちらもなかなか近いですね。まだまだ広がっていくことでしょう。

東京まではどうしても無理という方は、メーカーHPから購入されると室内での試着のみ未使用の状態であれば14日間返品可能とのことですので、サイズ感等を参考に選んでみてください。

まとめ

今回はNakedの新作トレイルシューズNaked T/r について書いてみました。実際はいてみないとわからないかもしれませんが、試してみる時のサイズ感は参考になるのではないでしょうか。

また、履いた感触やフィット感などについても購入の際の少しでも参考になればと思います。
Rufus&Companyの野口さんも丁寧に対応してくれますので、ご不明な点があればメーカーサイトも見にいってみてください。メーカーサイトから購入まで進めます。

SPEEDLAND スピードランド トレイルシューズ 日本での発売情報について

2022.07.11

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