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インターバルトレーニングの効果と効率的なやり方・注意点などまとめ

インターバルトレーニングとは

インターバルトレーニングとは、主に心肺機能の向上を目的とし、速いスピード(疾走)と休憩もしくはジョグ(緩走)を繰り返すトレーニングをいいます。

インターバルは陸上の中長距離のトレーニングとして開発され、今ではさまざまなスポーツに応用されています。また、レペティショントレーニングとの違いが今ひとつわからないという方は、こちらをご確認ください。

インターバルトレーニングの効果・目的

心肺機能・VO2MAX(最大酸素摂取量)の向上

1番の目的とされる『心肺機能の強化』を、具体的に数値として表すのがVO2MAXです。VO2MAXについては別にブログを更新しましたので、こちらをご確認ください。

VO2MAXとは、体重1kgあたりに1分間で取り込める酸素の量のことを言います。数値が高ければ高いほど心肺機能が強いとされ、平たくいうと長距離ランナーの戦闘力のようなものです。

エネルギーの工場とも呼ばれるミトコンドリアという細胞内の器官があります。ミトコンドリアは酸素を取り込み、脂肪や糖を分解してエネルギーを作り出します。このミトコンドリアが取り込める能力を上げることにインターバルトレーニングの1番の目的があります。

乳酸処理能力の向上

無酸素運動時(AT値以上での運動時)に発生する乳酸を、休憩時に回収し、再度エネルギー源として体内で活用することができます。乳酸をエネルギー源として再び活用することによって、体内の脂肪を効率的に使えるようになります。

乳酸処理能力を向上させるためにも、インターバルトレーニング時の休憩ではAT値以下に心拍数を落とすとより効果的です。AT値についてはこちらを参考にしてください。

筋力強化

VO2MAXを向上させ、効率よく酸素の取り込みができるようになっても、100%速く走れるようになるかというと、そうとは言い切れません。ランニングフォームを維持したり、高い出力を維持するための筋力も必要になります。インターバルトレーニングはランニングにおける高出力を維持する筋力を鍛えるのにもとても有効です。

LSDなど出力が低いランニングだけでタイムが伸び悩んでしまう場合は、インターバルトレーニングなど高出力を発揮するトレーニングを入れることが有効とされるのは、VO2MAXだけでなく筋力的にも必要な要素です。

脂肪燃焼・ダイエット効果

上記の「乳酸処理能力の向上」の部分に記載しましたが、効率よく体内のエネルギーを使えるようになるため、脂肪燃焼・ダイエット効果も高いとされています。

中長距離用のトレーニングとして開発されたインターバルトレーニングですが、近年ではHIIT(High Intensity Interval Training)という言い方で、スポーツジムなどで筋力トレーニング等にも、脂肪燃焼・ダイエット効果があるとして活用されています。メンタル強化

ランニングでタイムを意識する人にとって、1番重要な要素はメンタルかもしれません。もちろん体の限界の方が先に来てしまう場合は、効率的なトレーニングが重要です。

ここ1番、どうしてもタイムを縮めたい、速く走りたいと思う時に、運動の負荷に耐えられる筋力と同時に、負荷に耐えられるメンタルがとても重要になります。日々、この『耐える』トレーニングをすることによって、体だけでなくメンタルも強化されていきます。

インターバルトレーニングのやり方・例

インターバルトレーニングを具体的に始めようとした時に、わからないことが出てきます。

どのくらいの距離を走ればいいのか、どのくらいのスピードで走ればいいのか、何本走ればいいのか、どのくらい休めばいいのか、どのように休めばいいのか、近くに頼れるランニングコーチなどがいれば、自分の状態(VO2MAXやAT値など)をチェックしてもらって、プログラムを組んでもらうことが理想的です。

しかしながら、なかなかパーソナルにトレーニングを組んでもらえる環境にない人が多いと思います。ここで1番よくないのは、『わからないからやらない』ことです。まずは大体でもいいのでやってみましょう。感覚を掴むことができれば、効果を実感できれば、より効果的な方法でトレーニングを求めることになります。

インターバルトレーニング初心者の場合

まず考え方として、インターバルトレーニングはある程度の本数をこなします。全力で1本走って、次に同じペースで走れない場合は、インターバルトレーニングにはなりませんので(レペティショントレーニングと言ったりします)走る距離に対して80%〜90%の力で走れそうなスピードを設定しましょう。

距離はまずは400mから始めるといいと思います。家の近くに陸上用のトラックがある場合などは、ぜひ陸上トラックで行なってください。距離がわかるだけでなく、競技場の地面はアスファルトよりも柔らかくとても走りやすいですし、すごくモチベーションが上がります。
※もちろん距離が分かれば場所はどこでもOKです

本数は5本、休憩時間は2分間、休憩方法はその場で休憩で大丈夫です。合計で2000m走ることになります。慣れてきたら徐々に本数を増やしたり、5本1セットとしてセット間に長めに休憩を入れて2セット行うなどで少しずつ走る距離を増やしていきましょう。

(400m走る→2分休憩5

これなら頑張ってできそうですね。80%〜90%で最後まで落とさずにできるスピードに心がけましょう。

インターバルトレーニングに慣れてきた人の場合

それぞれの目標に対して距離やスピードを決めていく必要が出てきます。フルマラソンで頑張りたい人と、10000mで頑張りたい人のメニューは違って当然ですね。距離の設定は目的に応じて設定しましょう

ショートインターバル=200m〜400m
目的:ランニングフォーム・スピードを出す

ミドルインターバル=600m〜1000m
目的:VO2MAXの向上・スピードを出す

ロングインターバル=1000m〜5000m
目的:VO2MAXの向上・高出力時の筋力強化スピードの設定

スピードの設定は距離に応じて行います。
距離が短い=スピード速い
距離が長い=スピード遅い

当然と言えば当然ですが、インターバルトレーニングは同じスピードを繰り返すトレーニングになります。1本走れたけど次は同じペースで走れないという場合は、効率的ではありませんし、ゆっくり過ぎるとそもそもの目的の運動強度に到達しません。

目標とする距離とタイムから逆算してタイムを設定することが一般的です。
例えば、10000mで40分を切りたい場合に1000m×10本(3:50-3:55/km)など、目標の距離の1kmあたりの設定タイムよりも速いスピードに設定し、距離を短くして本数を重ねるという設定になります。本数・セット数

目標のレースの距離にもよりますが、目標のレースが比較的短い場合(5000m〜10000mなど)は本数を抑えてスピードを意識します。

逆にフルマラソンなど距離が長い場合は、タイムを抑えながら本数を増やして距離を走ります。休憩時間

休憩時間(レスト)はインターバルトレーニングにおいてとても大切です。インターバルトレーニングでは乳酸を再びエネルギーとして活用するという目的もあります。疾走時間に対して少なくても50%以上のレストを入れるようにしましょう。距離にもよりますが、50%だと休憩が足りない人が多いと思うので、最初のうちは走った時間と同じくらいの時間の休憩をとってもいいと思います。

また、心拍数を計測できるGPSウォッチをお持ちの方は、AT値と呼ばれる心拍数の値まで落とすといいので、ぜひ心拍数の管理をしながら取り組んでみてください。AT値がよくわからないという方は、下の数式に自分の年齢と安静時の心拍数を入れて計算してみてください。

AT値=(220ー年齢ー安静時心拍)×0.8+安静時心拍休憩方法

休憩方法には、その場で休む完全休憩と、歩いたりJOGを入れたりして繋ぐという方法があります。最初のうちはその場で休んだ方が心拍が落ちやすいので、その場で休むといいでしょう。

自分の走るペースから決めたい方はVDOT表から探してみるのもアリです

より効率よくやりたい方

まずはVO2MAXを測定しに行きましょう。
VO2MAXを測定できる施設はこちら

なぜなら、インターバルトレーニングの効果を定量的に計測するために必要だからです。VO2MAXを測る時に必ずAT値(できればAeT値も)を測れるかも聞いてみてください。施設によってはAT値を取っていない場合があるかもしれません。

近くに施設がない方は本ブログでも計算できる方法を紹介しているので、ぜひチャレンジして計算してみてください。

インターバルトレーニングの効率的なやり方として重要なことが、スピードを出す疾走時にはAT値を超える運動強度に設定し、レスト(休憩)時に必ずAT値以下に心拍を落とすことです。
インターバルトレーニングをなんとなくで行なっている方の場合、AT値以下に心拍数を落とさずに効率を落としてしまうことが多いです。もちろん全く効果がないわけではないのですが、可能であれば心拍数を計測できるGPSウォッチを購入して、AT値以下に心拍が落ちてから次のスタートを切りましょう。

インターバルトレーニングの具体例

インターバルトレーニングの具体例について、一緒に見ていきましょう。
まず、目的を明確にします。
10000m以下の場合と、フルマラソンなどハーフマラソン以上の距離に分けて目安としてください。強度が強いトレーニングになるので、その日の体調などと相談しながら本数は柔軟に変えてしまって問題ありません。

10000m以下のレースのためのトレーニングの場合(一例)

ショートインターバル
400m×10本(休憩1〜2分)

ミドルインターバル
800m×5〜10本(休憩2〜3分)

ロングインターバル
2000m×3本(休憩4〜5分)

ハーフマラソン以上のレースのためのトレーニングの場合(一例)
10000m以下のレースの目安よりもスピードは落とします

ショートインターバル
400m×20本(休憩1〜2分)

ミドルインターバル
800m×10本(休憩2〜3分)

ロングインターバル
3000m×5本(休憩6分〜8分)

毎日はダメ?インターバルトレーニングの頻度

インターバルトレーニングは毎日やらないのが鉄則です。いわゆるポイント練習と呼ばれる強度の高い練習に分類されます。ポイント練習のような負荷の高いトレーニングをやり過ぎるとケガのリスクが高まりますので、中2日(超回復に必要とされる48時間)間隔を空けて行いましょう。

インターバルトレーニング以外にも、ビルドアップ走やペース走、レペティション、距離走など他のポイント練習を行う場合は、負荷の高いトレーニングはほどほどにしてください。アスリートは別ですが、一般の方であればポイント練習は中2日空けて、大体週に2回程度行えるといいですね。

AT値(LT値)を引き上げるために行うテンポ走とは

インターバルトレーニングの注意点

インターバルトレーニングの注意点は、頻度とも重なりますが「やりすぎ」に注意が必要です。つい、「スピードが出るようになってきた「「走るのが楽になってきた」と楽しくなってしまう場合がありますが、運動の負荷がとても高いためケガをしないようにしっかり休んでください。

また、『インターバルトレーニングのやり方』にも書きましたが、レストでしっかりAT値以下に心拍を落とせると効率的です。

ウォーミングアップとクールダウンもしっかり行いましょう。

特に運動強度が高いインターバルトレーニングですので、体が温まっていない時はケガのリスクが高まります。また、運動後もしっかりとクールダウン、可能であればアイシングなど体のケアをしっかりと行うことが大切です。

まとめ

インターバルトレーニングは、スピードを出して走ることと休憩またはゆっくり走ることを繰り返すことで心肺機能を鍛えることを目的として行うトレーニング方法です。

心肺機能・VO2MAXの強化の他にも、脂肪燃焼・ダイエット効果、乳酸処理能力の向上、メンタル強化、筋力強化などさまざまな効果が期待できます。AT値を超える運動と、AT値以下に心拍数を落とすなど、慣れてきたら心拍数も管理して行えるとより効率的にトレーニングができます。まずは頭でっかちにならずに、目安を見つけて始めてみるといいと思います。ただし、運動の負荷が非常に高いためやりすぎには要注意。しっかりとウォーミングアップとクーリングダウンに心がけましょう。

馬場 保孝

馬場 保孝

ディレクター、音響運営なんでもお任せください。 イベントの便利屋さんです。最近WEBも頑張ってます。

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