ランニング

ビルドアップ走とは やり方/効果/ペース設定/サブ4対策について

今回はビルドアップ走について書いていきたいと思います。サッカーでいうとディフェンスラインからゲームを組み立てていくことをビルドアップ、筋力トレーニングの世界でも『ビルドアップ』は使われます。「構築する」「積み上げる」という意味で、ランニングにおいても徐々にスピードを上げていくトレーニングをビルドアップ走と言います。トレーニング時間があまり取れない時でも効果の高いトレーニングを行うことができますのでおすすめです。

ビルドアップ走とは

ビルドアップ走とは最初は余裕のあるペースで走り始め、徐々にスピードを上げていくトレーニングのことを言います。短時間で高い運動効果があることと、スピードを徐々に上げていくため、最初から高い強度で走るインターバルトレーニングやレペティショントレーニングなどよりもケガのリスクが低いと言われています。

最後はしっかりと目標の設定タイムまで上げ切ってフィニッシュすると、後半にバテないイメージをつけられるので、マラソンのトレーニングとしてはメンタル的にもいいとされています。
初心者の場合は難しく考えず、最初はゆっくり走って、最後は息が切れるくらいまでスピードを上げればいいんだなと思っていただければ十分です。

ビルドアップ走の効果

ビルドアップ走の効果はスピードとスタミナ強化、心肺機能の強化の3つです。

ビルドアップ走のスピードへの効果

ビルドアップ走は徐々にスピードを速くしていくトレーニングで、基本的には最後はレースペースよりも速いスピードでフィニッシュします。トレーニングの後半でしっかりとスピードを出せるため、レース後半でのスピードを維持するトレーニングになります。

ビルドアップ走のスタミナへの効果

スピードの部分とやや似ていますが、スピードを出した状態で維持できることができるようになっていきます。レース後半でも失速せず、粘りの走りが身についていきます。

心肺機能の強化

心肺機能のひと口で言ってもそこには色々な意味合いが含まれています。人間は無酸素状態(AT値以上)での運動をすると、乳酸が血中に分解されます。乳酸を再度エネルギーとして取り込めるトレーニングをしていないと、足が動かなくなったりします。AT値以上での長時間の運動は長くは持ちません。

しかしながらこのビルドアップ走は、AT値以上で後半は走り続けることによって、AT値を引き上げることができるトレーニングです。このAT値を超える運動を続けることによって、ミトコンドリアが活性化し、より多くの酸素を取り込み、より多くのエネルギーを生み出せるような体へと強化されていきます。酸素を取り込む能力を高めるためにも、AT値を超える運動強度で後半走り抜けることが大切です。AT値がよくわからないという方は、こちらを参考に

初心者の場合は難しく考えず、最初はゆっくり走って、最後は息が切れるくらいまでスピードを上げればいいんだなと思っていただければ十分です。

ビルドアップ走のやり方/ペースの設定について

ビルドアップ走 サブ5目標の方の設定について

ビルドアップ走のやり方は、普段のトレーニングの強度などにもよりますが、ここではフルマラソンで5時間くらいを目標にした場合の話をしたいと思います。

ビルドアップ走はわかりやすく3段階くらいでペースを上げるといいでしょう。

序盤:レースペースよりゆっくりのタイム
中盤:レースペースくらいのタイム
終盤:レースペースより速いタイム

ここで、今回は10kmのビルドアップ走を組むとすると、
最初の4kmを7:15〜7:00/km(もっと遅くてもOK)
次の3kmを6:45〜7:00/km
最後の3kmを6:30〜6:45/km

といった具合にスピードを速くしていきます。距離が短くて余裕がある方は、最後の3kmを失速しないようにもう少しスピードアップしても大丈夫です。

また、1km〇〇分がよくわからない場合は、最初はゆっくり走ることを心がけて、最初の20分はゆっくり、次の20分はあまり考えずに気持ちよく走る、最後の20分を途中でバテない程度にスピードを上げる、大体でやってみてもある程度効果はありますので、難しいと感じてしまう場合はとにかく後半スピード上げるんだなという感覚でやってみましょう。

ビルドアップ走 サブ4目標の方の設定について

サブ4を目指す方の場合は、5:40/kmと明確に目標タイムを意識する必要があります。自分の走っているペースがわからなかったり、目標はサブ4なのにタイムを意識できていない場合は、まずはGPSウォッチを購入して、自分が走っているタイムを明確に意識しましょう。

そして5:40/kmで中間疾走ができるように、序盤は6:00/kmからスタートし、5:40/kmで中間疾走、フィニッシュを5:15〜5:20/kmで走り終えられると、例えば10kmのトレーニングでも後半しっかりと負荷をかけられるトレーニングになります。

しっかりスピードを上げてフィニッシュ

慣れてきたら距離を少しずつ伸ばしていきましょう。

ビルドアップ走の注意点

ビルドアップトレーニングの注意点は、スピードのスピードの設定です。最初がゆっくりなのは問題ありませんが、フィニッシュが近づいてもなかなかスピードが上がらない・・そんな時もあると思いますしあってもいいと思いますが、最後はレースペース以上にスピードをしっかり上げて終えた方が、より効率的ですし、インターバルトレーニングなどのいきなり高い負荷で走らなくてもいいトレーニングなので、そこでしっかりスピードを上げられないのは、ある意味「もったいない」ですね。

せっかく行うビルドアップ走なので、最後は気持ちよくスピードを上げて走りましょう。

クールダウンをしっかりと行いましょう

インターバルやレペティショントレーニングほどのスピードが出ないため、一見運動の負荷が低いと思われがちなビルドアップ走ですが、後半しっかりとスピードを上げてフィニッシュするため、実は運動の負荷は高いんです。

インターバルトレーニングやレペティショントレーニングと違い、走る距離や時間も長くなりがちなトレーニングのため、クールダウンはしっかりと行って、ケガの防止に努めて下さい。

まとめ

ビルドアップトレーニングとは、「徐々にスピードを上げる」トレーニングです。
初心者の場合は難しく考えず、最初はゆっくり走って、最後は息が切れるくらいまでスピードを上げればいいんだなと思っていただければ十分です。

フルマラソンのレースペースを参考に、序盤はレースペースよりもゆっくり走り、中盤でレースペースを意識して走ります。後半はレースペースよりもしっかりとスピードを上げてフィニッシュしましょう。

心肺機能、スタミナ強化、など大きな効果をもたらしてくれるのがビルドアップトレーニングです。ぜひトライしてみて下さいね。他にも、レペティショントレーニング、インターバルトレーニングなど、こちらも参考までにチェックしてみて下さい。

馬場 保孝

馬場 保孝

ディレクター、音響運営なんでもお任せください。 イベントの便利屋さんです。最近WEBも頑張ってます。

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