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トレイルオープンエアデモ10 現場監督を終えて / イベントを成功させるコツ

どーも店長です🌟

先週末の土日は青梅でイベントに関わるお仕事をギュッと詰め込んでおりました。

TRAIL OPEN AIR DEMO(トレイルオープンエアデモ、以下TOAD)は2015年に始まったトレイルランニングに関わるメーカーが集まり、フィールドで商品を試し、体験でき、気に入ればその場で購入することができるイベントです。出展ブランド数は74ブランドにもなり、トレイルランニング業界の展示会では日本最大級となっています。また、こちらのTOADに合わせて大小色々なイベントが開催されています。今年で10回目を迎えました。

そんなイベントの業務内容を振り返っていきたいと思います。
ちなみに同時に運営していたTHE FIRST TRAILの雰囲気や総括はこちらにアップしておきました。

前提の内容として、このイベントは初回は参加者、2回目からお手伝いを始め、6回目あたりから前職に運営体制が移り、6・7回目は実行委員長的なポジションで、8回目から外部委託のディレクターとして参加しています。なので、全体的にどんな内容で誰が何をしているかはほぼほぼ把握している状態でのお仕事です

当日の様子

まずは当日の様子から。

4月6日(土)はTHE FIRST TRAILのスタートが9:00〜とTOADより1時間早く、親子トレラン・ひよこの部とキッズレースが行われました。その後、10:00〜TOADがいよいよオープン!

やはり青梅といえばこちら、地元のスポーツショップ『佐藤スポーツ』さん。佐藤社長が地元との調整役を行ってくれているおかげでTOADがスムーズに青梅で開催されています。

TOADを主催するTOAD実行委員会が置かれる株式会社ロータスが輸入元になっているALTRAブースの試し履きは毎年大好評です。我々外部ディレクターも(私も元社員ですがw)様々調整の多くは任せてもらって行いますが、重要な内容の最終ジャッジはこちらに投げて判断してもらっています。

10:30〜は地図読み講習+ミニロゲ体験が行われました。地図読みの先生といえばこの人「たけぷー」さん。コンパスの使い方や地図の読み方をものすごくわかりやすく伝えてくれます。初心者でも安心して参加できるやさしい雰囲気がめちゃくちゃ好評です。

同じく10:30〜日本でのイベント初出展のNNormalさんがプロモーションを兼ねてフイナムランニングクラブとグループランイベントを開催

目線を移すとTeton Bros.の社長夫婦の愛犬コタサブロー(コタロー・サブロー)がじゃれ合います。もちろんウェアにはTeton Bros.のロゴが光ります。

打点の高いところから全体を見るとこんな感じの初日でした。3時間リレーのフィニッシュ時間の近くなので人がゴールの方に集まってしまっていますが。

3時間リレーのフィニッシュ後はかなり人気が出てきた企画『20mシャトルラン』が15:00から行われました。グラウンドが土なので滑る中、会場の注目を集めました。

時を同じくして15:00から行われたPAAGOWORKSの『PACK AND GO はじめてのトレラン』が開催。写真はありませんが、SALOMONさんのグループランにはハセツネの女王・高村貴子選手、松本祥汰選手も来場されていました。

会場の滞在時間を伸ばしたりお腹を満たしてくれる地元青梅の飲食店さんも多数出店してくださったおかげで、1日楽しめる環境が整っています。

TOADの事前準備

〜イベント3ヶ月前〜

毎年約3ヶ月前くらいからゆるりと動き出します。イベントの開催自体は11月に決まってはいたけれど、年末でみんな忙しいので、動き出せるのが1月くらい〜というのが毎年の流れです。

ここではざっくりとした役割分担、予算イメージの作成、現地への挨拶まわりなどに参加します。事務局長(Trailrunner.jp)がメーカーとのやり取りをするのに足りない情報を収集したり、ちょっとした資料の制作なども入ってきます。

別のブログに書きますが、同時開催のイベント『THE FIRST TRAIL』の集客を開始するのも概ねこのころ。TOADと同時にレースも作るのがそこそこ難易度が高めなポイントです。地元のスポーツショップである佐藤スポーツさんと、隣で開催されている青梅高水国際トレイルランを主催するKFCトライアスロンクラブにも多大なご協力を賜ることで、どうにか運営させていただける大会で、TOAD、青梅高水のレースとのバランス感覚が要求されます。今年はそれに急きょ開催が決まった青梅市主催の「動物ふれあいフェスタ」もグイッと入ってきたので、今年は色々気を遣う場面が増えました。

約3ヶ月前に事務局長から各ブランドへ出店の打診をしていただき、ブランドの集客が先に行われます。今年は例年にないスピードでブースが埋まっていきました。ぎゅうぎゅうに詰め込んだ会場は感覚的にもMAXの63コマで今年は調整し、10以上のブランドをお断りするまでに成長しました。これはメディアも運営する事務局長の手腕のおかげですね。

そして3ヶ月前くらいに1度必要な外部の人に声掛けをしていきます。

MCさん、DJさん、備品のレンタル業社さんなど、詳細は決まってないけれど、とりあえず体を空けておいてください的な内容で声掛けだけは忘れません。

※DJチームは走りながらの参加 タスキリレーも絵になります

〜イベント1ヶ月前〜

私の方はメーカーの出店希望と同時にヒアリングした備品の調整に入ります。予算もあることですし、当日会場に備品が手配できないということがあってはいけません。備品のリストアップと、買うもの・借りるもの・あったら良いもの・自宅にあるものなどを考慮して備品を決めていきます。また情報が揃ってくるのもこの頃からなのでホームページにもどんどん反映させていきます。

ちょいちょい広報のヘルプをしたり、事務局長のサポート的なことがこの辺りは多くなります。
※事務局では広報用のアンケートを取ったり、請求書を回したり、質問に回答したり、日々細かい業務に終われます。

〜イベント2週間前〜

この辺りから主な仕事がトラブル対応になってきます。レンタルの希望をしていなかった団体が急にどうにかならないかという連絡だったり、急きょ駐車場が使えなくなったのをブランドにお知らせする資料を作ったりとか、いきなり決まった動物園の動線をどうするかとか、MCさんの台本を作ったりとか、誰が何を当日するかを決めたりとか、謝礼や領収書の手配をお願いしたりなどなどが発生してきます。

〜イベント1週間前〜

ここでTHE FIRST TRAIL(レースの方)は1度作業日を設けています。主に参加賞や広告物を袋にセットしたり、入賞商品を順位順に紙袋に入れたり、応援グッズを作ったりなどの作業です。その後30分程度で大会の概要を説明したり質問を受けたりします。

手元の備品に漏れがないのを最終チェックしていきます。もちろん備品のリストアップはしてありますが、絶対に忘れてはいけないものを忘れなければOKというくらいの気持ちで神経質になりすぎず肩の力を抜いて行います。大事なのは当日が上手く回ればOKなので、当日にベストなパフォーマンスを出せる方が重要です、だから肩の力を抜いて行います。

イベント2日前
もう資材を車に積み込んでいきます。積み込みながら『あれもあった方がいいかも・・』と思うこともあったり、リストアップを忘れていた備品を思い出したりすることもあります。今回は20mシャトルランの音源がデータから消えていることに気がつき急いでダウンロードしたりなど、細かい漏れが見つかるのも大体積み込み始めてからです。
私の場合はこのあたりで体のメンテナンスに1回行きます。当日までの間に絶対にギックリ腰になったりできないので、大事なルーティーンです。

イベント前日
朝には会場に入り、ブースの区画整備などをしていきます。メジャーを持って数人で測りながらマーキングをして午前中を終わらせます。今回は3.5mで区画をしてしまうとギリギリ足りなくなるかもしれないという計算のもと、3.4mで計測していきます。たかが10cm、されど10cmです。60コマを超えるのでその差は6m近くになり、2コマが入るか入れないかが変わってきます。もうこの辺りは経験と勘でそうしたところ、パーフェクトな区画整備ができたと思います。今年はけっこう雨が降っていたので、準備しながらグラウンドがぬかるみになっていくことや、白線が上手く書けないなど細かいことはありましたが、概ね上手くいったと思います。

(会場を借りる時間の問題で)午後から白線を引き始め、同時進行でレンタル業者が搬入してくれる備品の設営場所を指示していきます。区画整備が終わればTOADの準備は80%くらいは終了、そこから音響のセッティングを行い濡れないように養生を済ませTOADの準備は終了。THE FIRST TRAILの準備へと移行していきます。

現場での準備が終わったら家に戻りますが、ここでもこんなPOPがあった方がいいよねというのを思い出したりして、帰ってから作ったり、翌日のスタッフの朝ごはんを買いに行ったり意外と気を遣ってたりします。笑
なる早で次の日の準備をして寝るに限ります。

TOAD当日の動き

当日は朝5時に会場に入ります。なので起きるのは3時30分。
展示会の現場責任者を行いながらレースも同時に運営するということはなかなかないかと思いますが、当日はそこそこ頭キレッキレにしておかなければなりません。TOADだけならそんなに難しいことはありませんが、レースの方は時間が細かく決まっており、オンタイムで全てを進めなければなりません。

※キッズレースのスタートとオンタイムで始めるのが至上命題

5:00〜7:00
必要な備品を下ろし、音響や電源の確認、関係者への挨拶回り、朝の段取りの整理、出展者からの質問への対応、ゴールゲートの設営補助、備品の配置などなどであっという間に7:00に。

7:00〜7:15
THE FIRST TRAILのスタッフMTGを行います。イベントの方向性と、対応基準、安心して行動できるようなビジョンの説明、集合・解散のタイミングなど、事前に誰に何をして欲しいという一覧は作成しているので、各リーダーに後は任せて15分で全てを友人・知人たちにレースの準備を託します。

7:15〜30
音出しを始めたり(Amazon Musicで適当に)、TOADの出展者の駐車場への誘導を指示したりし始めます。計測会社とも簡単に打ち合わせします。

7:30〜45
MCさんが早く来てくれたので進行担当と一緒にMTG、ちょこちょこレースの方の受付の準備状況を確認したりコース誘導担当が上手く配置できているかなどを無線で確認したりしていきます。

7:45〜8:00
TOADの当日運営の主要メンバーとのMTGを行います。その他、細かい対応やスタッフのわからないことなどに答えていきます。

8:00〜8:15
TOADのスタッフMTGを10分程度で終わらせます。こちらもたった10分近くで誰が何をやるかを伝えて動きやすい環境を整えます。このあたりで動物園の搬入が終わってるのでレースの動線を区切っていきます。8:00までに搬入完了を求めているけれど搬入が終わらない業者を急かしつつ笑、どうにか動線を確保していきます。

8:15〜8:30
細かい対応に追われ始めます。DJさんが遅れそうだから適当なプレイリストで繋ぐかとか、スタートのゴールゲートが全然来ないとか笑、それらを準備しないと計測が準備できないなどあって急かしたり笑、それらに人を集めたりしながらTOADの出展者MTGの準備をしていきます。

8:30〜8:40
TOADの出展者MTGを行います。大体の概要や注意事項などを共有したりします。

8:40〜8:45
レースの方のゲストの皆さんに挨拶し、キッズの開会式の確認事項をチェックしていきます。

8:45〜9:00
キッズレースの開会式

といった感じで、分単位でやることが出てくるので、緊急性の高いものから順次こなしていきます。無線で各自のポジションに配置が完了できているかなども忘れずに確認します。

レーススタート後

レースは始まってさえしまえばどうにかなるので、特に始まる時点で計測会社が安心して計測できる準備が整えられているか(ゲートが遅かったのでギリギリでした)、スタートする時に誘導員が配置されているか、動線が安全に確保できているか、開会式に参加するべき人が参加できているかなど、外せないものが外れていないかだけできていれば、あとはなんとかなる・・はずです。それらだけチェックして絶対に時間通りに進める。

この朝5時〜10時30分までの5時間30分を乗り切れば、あとはトラブル対応だけすれば概ねOKという流れになりますが、この時間は私が見えていないところで多くの方が気を利かせ、状況を判断し、最善を尽くしてくれていると信じて全部お任せしています。

※大人のレースがスタートしたら後は安全を祈るのみ

TOADで開催されていたイベント一覧(時系列順)

THE FIRST TRAIL
地図読み講習+ミニロゲ体験(計2回)
NNormal×フイナムランニングクラブ グループラン
20mシャトルラン
pack and Go!はじめてのトレラン編(計2回)
Salomonアスリートとグループラン
ZERO LIMITS NIGHT
大人の本気リレー

メーカーさんやショップさんが主催のイベントもあるので、太字になってる20mシャトルランと大人の本気リレーのみTOAD側で運営し、メーカーさん等が企画するイベントはお任せで基本的に運営されています。

現場監督的にはこれらのイベントを安全に運営するべく人を配置したり、スタッフの体調管理などに気を配るくらいで当日始まってしまえばそんなにやることはありません。

イベントを成功させるコツ

※今回もナイスチームでした

10年前は失敗とは言わないけれど『なんだかな〜』と思うことが多かったイベント運営も10年もやっていれば基本は成功のイメージしかありません。
イベントを成功させるコツをある程度まとめると、『信頼して任せられる人』に恵まれることだと思います。それは能力の有無に関わらず、全体のことを考えた最良の判断ができる人が集まることです。適材適所に配置したり能力を引き出すのはディレクターの腕だと思います。

そして『判断の基準を明確にして委任すること』ができれば、みんな怖がらずに判断してくれることでしょう。初めましての方、何ができるかわからない方、能力があるはずなのに発揮させにくい方、主体的な活動は難しいけれど基準が明確であれば思い切って行動できる方、色んなタイプがあると思います。
その場にいられない『主催者』の代わりに色々考えて動いてくれるだけで神のような存在であることやリスペクトを忘れずに、信じて任せ、何かあっても受け入れる覚悟が大切だなぁと思うわけです。

10年前の私は一緒に大会を作っていたスタッフを100%信じることができませんでした。自分のこだわりや基準が厳しすぎて、せっかく来てくれているスタッフに強く言ってしまったり、なんでこんな簡単なことができないのか?など思うことも多々ありましたが、判断基準を明確にできていなかったことや、そもそも能力以上のことを頼んでいた時に上手くいかないことが多かったのかなと思います。

これからイベントを企画する方、準備を進める方がもしいらっしゃいましたら、信頼できる仲間を見つけて覚悟を決めて任せる、責任は自分で取る、そうして少しでも判断する回数を減らしたり視野を広げられる余裕を作っていただけたらと思います。ではまた

馬場 保孝

馬場 保孝

ディレクター、音響運営なんでもお任せください。 イベントの便利屋さんです。最近WEBも頑張ってます。

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